働き方の未来

 

私が会社に入った1970年代初頭、鉄道の改札口ではリズム感のある鋏の音を鳴らす切符切りの駅員がいました。会社では電話交換士や和文タイプライターもいました。技術の進展により、それらの職業は見られなくなって久しくなります。

 

 

 

昨年12月、野村総研から国内601種類(日本労働政策研究・研修機構による職業分類による)の職業について、人工知能やロボットで代替される確率を試算した結果が公表されました。「“2030から日本を考える、“今”から2030年の日本を考える」研究活動の一つとのことです。それによれば、1020年後に、日本の労働人口の49%が人工知能やロボット等で代替可能になるとしています。人口減少に伴う労働力の減少が予測される日本で、人工知能(AI:Artificial Intelligence)やロボットがその補完的役割を担うというのです。https://www.nri.com/jp/news/2015/151202_1.aspx

 

 

 

厚生労働省「『働き方の未来2035:一人ひとりが輝くために』懇談会」を今年1月に設置されました。その開催趣旨は、20年後の「2035年を見据え、一人ひとりの事情に応じた多様な働き方が可能となるような社会への変革を目指し、これまでの延長線上にない検討」を行うため、とのことです。検討の成果に期待したいものです。

 

 

 

同懇談会の第2回会合が224日に開催されましたが、メンバーの一人、東京大学の松尾豊准教授が「AIの技術革新の進展による社会への影響について」と題した資料を提供されています。その資料によれば、AI技術の進展のスピードは速く、今や画像認識の精度は人を上回るばかりとなり、後数年のうちに、行動予測、異常検知技術の確立により防犯・監視セキュリティ、マーケティングの分野で、さらに環境変化にロバストな自律的に行動する技術の確立によって自動運転、物流・農業の自動化、製造装置の効率化が進むと説明されています。http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000113714.pdf

 

 

 

同准教授によれば、AIにより人口が増えたのと同じ効果を生み出せるし、掃除や調理などの家事等がロボット・機械化できることにより、誰もが働ける環境が生まれるという未来が開けるようです。日本には人工知能研究者も多く、知能の本質を考え続けた人も多いので、チャンスをとらえるため、正しく早く動いていくことが重要とされています。

 

 

 

我ら団塊の世代もすでに65歳を超えていますが、子たち孫たちの世代が大きな夢を持てる社会の実現を目指し、健康ですごし、少しでもお手伝いできるようになりたいものです。

 

 

 

このブログ欄をしばらく休んでいました。友人等への毎月の労働関連情報と隔月の自己研鑽レポートは何とか続けているのですが、幸い、人事賃金コンサルタントの業務や、エクセル関数、マクロ技術の習得などで多様なときを過ごしていました。また、定期的発行を心掛けます。

 

 以上