新年度スタート(在職老齢年金/改正パート法など)

本日4月1日から新会計年度が始まります。

厚生年金法関連では在職老齢年金の支給停止調整額が変更されました。

また、改正パート法なども施行されました。

 

4月から在職老齢年金の支給停止調整額が「47万円」に改定

 

受給開始を迎える人、受給している人は要注意

 

在職中の人でも年金(在職老齢年金)が受けられますが、年金額や給与に応じて年金額が支給停止されます。この支給停止額に用いる基準額は賃金の変動に応じて見直しされることとなっておりますが4月からこれまでの「46万円」から「47万円」に改定されました。

 

在職老齢年金の仕組みによる支給停止が行われるのは次の場合です。

 

 

60歳台後半以降の人

 

支給停止が行われるのは、老齢厚生年金の受給権者が被保険者である月において、

「その方の総報酬月額相当額(標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の総額÷12)+基本月額(年金額÷12)」が支給停止調整額「47万円」を超える場合に、その月の年金額について、支給停止が行われます。

 

【総報酬月額相当額+基本月額が47万円を超える場合、1月について次の額の支給を停止】

⇒(総報酬月額相当額+基本月額-「47万円」)×1/2

 

60歳台前半の人

 

支給停止が行われるのは、老齢厚生年金の受給権者が被保険者である月において、

「その者の総報酬月額相当額(標準報酬月額とその月以前1年間の標準賞与額の総額÷12)+基本月額(年金額÷12)」が支給停止調整開始額「28万円」を超える場合に、その月の年金の額について、支給停止が行われます。

 

【総報酬月額相当額+基本月額が28万円を超える場合、1月について次の額を支給停止】

⇒(1)基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円(支給停止調整変更額)以下

(総報酬月額相当額+基本月額-「28万円」)×1/2

 

⇒(2)基本月額が28万円以下で、総報酬月額相当額が47万円超

(「47万円」+基本月額-「28万円」)×1/2+(総報酬月額相当額-「47万円」)

 

⇒(3)基本月額が28万円超で、総報酬月額相当額が47万円以下

総報酬月額相当額×1/2

 

⇒(4)基本月額が28万円超で、総報酬月額相当額が47万円超

「47万円」×1/2+(総報酬月額相当額-「47万円」)

 

 

「改正パートタイム労働法」への対応は万全ですか?

 

いよいよ4月から改正パートタイム労働法が施行されます。

 

パートタイム労働法(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律)の対象であるパートタイム労働者とは、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者の1週間の所定労働時間に比べて短い労働者」とされています。

「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託」「契約社員」「臨時社員」「準社員」等、呼び方は異なっても上記の条件に当てはまる労働者であれば、「パートタイム労働者」となります。

 

改正パート労働法の概要

 

改正の概要は以下の通りです。

(1)正社員と差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者の対象範囲の拡大

「職務内容が正社員と同一」、「人材活用の仕組み(人事異動等の有無や範囲)が正社員と同一」に該当すれば、有期労働契約を締結しているパートタイム労働者も正社員と差別的取扱いが禁止されます。

 

(2)「短時間労働者の待遇の原則」の新設

パートタイム労働者の待遇と正社員の待遇を相違させる場合は、その待遇の相違は、職務の内容、人材活用の仕組み、その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならないとする、広くすべての短時間労働者を対象とした待遇の原則の規定が創設されました。

 

(3)パートタイム労働者を雇い入れたときの事業主による説明義務の新設

パートタイム労働者を雇い入れたときは、実施する雇用管理の改善措置の内容について、説明しなければならないこととなります。

 

(4)パートタイム労働者からの相談に対応するための事業主による体制整備の義務の新設

パートタイム労働者からの相談に応じ、適切に対応するために必要な体制を整備しなければならないこととなりました。

 

以上のほか、特定の有期雇用労働者(一定の高度専門的知識等を有する有期雇用労働者と、定年後に有期契約で継続雇用される高年齢者)について、無期転換申込み件が発生しないこととする「有期雇用特別措置法」の施行も4月1日からです。

 

*なお、小職は、高津年金事務所での3年間の年金相談員業務を年度末で終了。

これからは人事労務管理のコンサルティング業務に軸足を置いた活動をと考え、新たなスタートを切りました。

 

                                                                                                                        以 上