M字カーブのフラット化について

女性の年齢別就業率が、結婚・出産退職で落ち込んだ後、子育て後に回復するパターンを

字カーブ」といい、厚生労働省ではそのフラット化をめざした取り組みを進めてきています。労政審議会の資料などでもその台形化について記述し、女性活躍推進法の改正施行などの政策等もあって、近年の有配偶者の労働力率の上昇の影響だと肯定的に紹介しています。

「M字カーブ」の谷底は30歳前後であり、フラット化は顕著です。また、少しずつ後ずれしつつあります。確かに既婚女性の出産後の継続就業率は向上していますが、5割強にとどまっています。むしろ晩婚化・非婚化で未婚女性の比重が高まった点を認識すべきで、少子化が一層加速するというマイナス面に配慮が必要、と捉える必要があるのではないか、とする学者もいます。男性の働き方にも遠因があるとされています。

 

男性が原因、といえば、この夏、アメリカのブロガーが著した「射精責任」の翻訳本が出版され、話題となっています。望まない妊娠の原因は男性にあることを問題提起した本だそうです。日本社会が、中絶や望まない妊娠を女性だけの問題としてきた点を専門家は指摘します。先月、この欄に性別役割分業意識について記しましたが、まだまだ男尊女卑的な意識の払拭に時間がかかるのでしょうか。