キャリア自立へ

Indeed Japan㈱が、早稲田大学大湾教授の監修の元に実施した「労働者のスキルに関する日米調査」を8月8日に第1弾、9月18日に第2弾を公表しています。調査結果につき、大湾氏は次のような分析をされています。

終身雇用の終焉や雇用流動の高まりを背景に、労働者一人ひとりにキャリアの自律が求められる時代に移りつつあるが、日本の労働者のスキル習得意欲が低く、企業も従業員のスキル習得促進に向けた方針や取り組みが、米国に比べ、大きく立ち遅れている。米国企業は、生成AIなど新技術の活用に積極的で、従業員にもテクノロジースキルや変化への対応力を求めるようになっており、それが従業員のスキル習得支援にもつながっている。対して、日本では、キャリア自律性を奪うような配置制度を続ける一方、従業員のスキル習得に関し無策である企業が多い。その一方で、従業員に「好奇心・学び続けるマインド」を求める企業が多いのは皮肉であると言える。こうした傾向が続けば、日本は人的資本蓄積が遅れ、国際競争力をさらに急速に失っていくと考えられる。

さらに、日本の労働者が自身のスキルやキャリアを自覚できておらず、また、自分のスキルを言語化できていないようだ。日本の労働者のキャリアやスキルへの意識は、勤務先の支援の有無と強く相関している。雇用の流動化が進み人材獲得競争が激化する中で、従業員のキャリア形成を積極的に支援する企業は、労働者から魅力的に映り、優秀な人材を惹きつける力を高めることができるだろう。 

日本が国際競争力を高めていくためにも、個人の成長が企業の成長につながるプロセスを人的資本情報の開示で可視化し、適切なインセンティブの仕組みを組み立てることが肝要だ。

 

今回調査の結果は、各種先行調査等でも知られていますが、歯がゆさを感じます。