先月は健康づくりに睡眠が大きな役割を担っていることを書きました。
ご承知のように、睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があり、2つがセットになって、一晩で4〜6回、約90分の周期で交互に現れます。レム睡眠はRapid Eye Movement、目の動きが速い眠り、つまり浅い眠りを指し、体は休んでいるが脳は活動している状態で、感情の整理や創造性に関わる。一方のノンレム睡眠は深い眠りで、脳がしっかり休み、体の修復・成長ホルモンが分泌され、事実記憶の固定など記憶を整理するとされます。
このように、睡眠は単なる「休息」ではなく、身体と脳のメンテナンスを行うための、「精密に設計された生理プロセス」といえるそうで、覚醒時よりもアクティブな脳活動の時間だとのことです。身体面では細胞の修復、免疫機能の調整、代謝の調整を行い、脳・心理面では記憶の整理と定着、感情のリセット、不要な情報の掃除(脳の老廃物の排出)などを行う。睡眠中、昼に得た膨大な情報を整理し、不要なシナプスを刈り取り、必要な結合を強化する「脳の再構築」が行われている大切な時間なのだそうです。
なぜ眠くなるのでしょうか。眠気は次の2つの力のバランスで決まるとされます。
一つは「体内時計」(概日リズム)で「今は寝る時間」「今は起きる時間」を決めます。もう一つは、「睡眠圧(ホームオスタシス))で、起きている時間が長くなるほど“眠気の圧力”が溜まります。この2つが合わさったとき、自然に眠りに入るとのことです。
また、朝スッキリ起きられるのは、光を浴びることで体内時計がリセットされ、メラトニンが減り、コルチゾール(活動のスイッチ)が増え、更に体温が上がるなど、これらが「起きるモード」への切り替えを助けます。
以上を、上田泰己氏の著『脳は眠りで大進化する』(文春新書)に学びました。分子生物学・神経科学の最前線から解き明かし、睡眠の本質を「脳が日々アップデートされる時間」、「脳が大進化する時間」とし、睡眠こそが人間の知性の源泉であると強調します。
ともかく、しっかり寝て、翌日以降に備えましょう、ということですね。
