公正な採用選考を

連合は5月21日、3年以内に採用試験を受けた1529歳の男女1,000人を対象に実施した、「就職差別に関する調査」結果を発表しました。

 

それによると、採用試験に際し「戸籍謄(抄)本の提出を求められた」は39.1%(2023年の調査に比し、8.3ポイント増)に上ったとのことです。社労士となり、多くの就業規則を見せていただく機会がありますが、採用時の提出書類の一つとして、いずれも「住民票記載事項証明書」が規定されています。戸籍謄本の提出を規定した就業規則に出会ったことがありません。どのような企業、団体の採用試験なのでしょうか。

また、採用面接での質問された質問につき、「家族に関すること」(36.9%)、「結婚後や出産後の継続就労希望の有無」(22.7%)、「結婚の予定」(19.9%)があったと回答したとのことです。更には、「性自認への違和感の有無」「性的指向の確認」、「自分の恋愛タイプ」、「体型やメイクについて言及された」など面接担当者の不適切発言もあったとしています。

50数年前、新社会人として人事部門に配属され、最初に教わったのが公正な採用に関する取組みであり、意識して就職差別の解消に努力することを求められました。そのことを思い出し、上記調査結果の意外さに、無頓着さに驚くとともに、隔世の感を覚えた次第です。

調査した連合の総合運動推進局長春田氏も、「採用選考における基本的な考え方や採用選考時に配慮するべき事項が遵守されていない実態が明らか」だとしています。また、「採用選考過程において、企業からSNSアカウントを調査されたことがある」と応えた者が21.8%と前回調査から11.1ポイント上昇していることに対し、「運用次第では身元調査にもなりうることから、新たな就職差別につながる恐れがあ」るとコメントしています。

 

各企業においては、本年10月から施行される改正労働施策総合推進法・男女雇用機会均等法による「就活セクハラ」防止措置の学習、方針の徹底と共に、厚労省の「公正な採用選考特設サイト」などを活用して、リクルーターや面接試験担当者への公正な採用選考の在り方を是非徹底されるよう希望し、期待します。